令和2年度 行政監査結果(補助対象事業)の公表
[2021年7月1日]
このことについて、地方自治法第199条第2項の規定により実施した定期監査結果を、同条第9項の規定により、下記のとおり公表します。
なお、本監査は、甲賀広域行政組合監査基準に準拠しています。
令和3年4月28日
甲賀広域行政組合監査委員 山川 宏治
甲賀広域行政組合監査委員 山中 修平
補助対象事業
消防関係 搬送用アイソレーター装置
衛生関係 衛生センター第2施設 基幹的設備改良事業
令和3年3月23日(火)
消防本部消防総務課及び衛生課に対し資料の提出と説明を求め、その資料を基に関係書類を審査するとともに、事務執行状況や事業管理が法令に適合し、正確で、経済的、効率的かつ効果的に実施されているかを監査しました。
上記により監査した限りにおいて、監査の対象となった事務については、法令の適合性、事務処理の正確性、効率性、組織運営の合理化の観点から、特に指摘すべき事項は見受けられず、適正に執行されていました。
消防関係 「搬送用アイソレーター装置」
初めに、消防本部3階作戦室において、消防関係補助対象事業の内容並びに実績報告について説明を受けました。
この事業は新型コロナウイルス感染症の流行により、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)第6条第1項の規定に基づき、令和2年度補正予算に係る緊急消防援助隊設備整備費補助金として、新型コロナウイルス感染症の患者等の移送・搬送に万全を期すため、感染対策用資機材として新たに搬送用アイソレーター装置が補助対象となっています。
救急出動については、常備消防の任務となりますが、新型コロナウイルスに感染されている(陽性)患者の病院間搬送等は保健所の業務となっており、コロナ禍で保健所が動けず、搬送用車両も不足している状況があり、事前に保健所から依頼を受けて協定を締結していることから、現状としては知事(保健所)からの依頼により常備消防が担っています。
感染予防対策は日常業務の中に常に組み込まれ、この装置が無ければ新型コロナウイルスの感染に対応できないという訳ではありませんが、隊員の安全をより一層確保するためにこの度導入に至ったとの説明を受けました。
この装置導入後、消防本部職員により特別編成された、新型コロナウイルス感染症患者の移送体制において、8件の実績を報告されました。
また、緊急消防援助隊設備整備費補助金として整備されていることから、国からの出動要請時には対応することも説明を受けました。
事務の手続きは、8月13日要望、9月30日交付申請、10月16日に消防庁長官から交付決定されています。補助率は基準額の2分の1となっています。
11月4日に実施した指名競争入札により、日本船舶薬品株式会社神戸支店と11月6日、契約金額を140万8千円(税込み)で締結し、12月8日納品、12月14日から運用となっています。
配備先は補助金により整備している湖南石部分署の救急車の備品とされています。
繰り返す流行の波で終息が見えてこない中、社会の高齢化もより進んでいることや、行政運営の財源が更に厳しくなることが危惧されていますが、市民の安心安全な生活のためには無くてはならない業務であることからも、より正確かつ効果的な業務執行を願います。
衛生関係 「衛生センター第2施設 基幹的設備改良事業」
初めに、消防本部3階作戦室において、衛生関係交付対象事業の内容並びに実績報告について説明を受けました。
この事業は令和2年3月26日に甲賀広域行政組合議会において議決されている令和2年度から令和5年度まで4箇年をかけて、衛生センター第2施設(ごみ処理施設)を事業費総額44億3,674万円かけて全面改修する基幹的設備改良工事(44億1,100万円)と同工事設計施工管理業務委託(2,574万円)となります。
この事業は環境省の循環型社会形成推進交付金事業になり、令和2年度の事業割合は全体事業費の0.78%であることの説明を受けました。
令和2年度の主な事業内容は、実施設計の作成、平成28年12月に作成の甲賀市・湖南市地域循環型社会形成推進地域計画の見直し、仮設事務所の設営、工場敷地内の搬入経路変更にかかる仮設道路の設置、クローラークレーンなどの据置工事、3系焼却炉並びに共通系機器の製作及び3系焼却炉並びに共通系機器の撤去等となっています。
事務手続きについては、令和2年4月1日に交付金の内示、4月24日に令和2年度循環型社会形成推進交付金にかかる申請書の提出、5月29日、6月26日の県の指示により交付金申請の修正を行い、8月24日交付金(2億7,300万円)の決定があり、令和3年3月中旬から4月中旬に、実績報告及び国庫支出金請求書を県に提出し、交付金を収入する予定であることを説明されました。
また、この事業に対する地方債については、交付金事業部分については充当率90%、交付金事業以外の部分は充当率75%になり、県との協議を重ねて当初の計画より増額となったこと、従来は政府資金であったが民間資金となったこと、現在甲賀市・湖南市の金融機関に見積を依頼中であることが説明されました。
また、充当率90%の地方債部分については50%、充当率75%の地方債部分については30%のそれぞれ交付税措置がなされることも説明されました。
行政運営の財源が更に厳しくなることが危惧されていますが、甲賀市・湖南市の市民の快適な生活環境に必要な施設であり、生活のためには無くてはならない業務であることからも、より正確かつ効果的な業務執行を指導するとともに、総額44億3千万円余りの大きな事業であることからも、市民に理解していただくよう、より一層の情報発信をしていただきたい。