定期監査（財務監査・行政監査）

事務の執行が法令に適合し、正確で、最少の経費で最大の効果を挙げるようにし、その組織及び運営の合理化に努めているかを主眼として監査するものです。

上記により監査した限りにおいて、監査の対象となった事務については、法令の適合性、事務処理の正確性、効率性、組織運営の合理化の観点から、特に指摘すべき事項は見受けられず、適正に執行されていました。

　まず、10月19日現在の出動件数について、火災58件、救急5,075件、救助76件、警戒5件、調査73件、その他151件となっており、全てにおいて昨年同日の件数を上回っており、救急については、このままの出動が続けば、過去最高を更新するということになっています。こうした状況にある中で、10月1日現在の人員は再任用職員1名を含む201名で、うち2名は事務局へ出向し、1名は滋賀県防災航空隊に派遣されており、実質3名欠員の状態です。
　続いて、今年度の主な事業について、信楽消防署の下水道接続工事、消防本部3階女子仮眠室パーテーション取付工事、車両運用端末装置及び車外設定端末部分更新業務委託、消防ポンプ自動車の購入、高規格救急自動車の購入について、それぞれ契約年月日、契約金額、請負業者、完了日若しくは履行期限について説明を受けました。女子仮眠室パーテーション取付工事については、鍵付きのもので完全に部屋を区切り、女性が安心して勤務できる状態を整えられていることを聞き取りました。
また、信楽消防署、甲南消防署について敷地面積、延べ面積、配備車両、職員数の説明を受け、現地視察を行いました。信楽消防署では、救急隊の活動状況や、実際に着用されるタイベックスーツの現物を確認しました。
　甲南消防署では、執務室、仮眠室、出動されるまでの動線をたどり、車庫に至るまでの状況を視察しました。また、甲南消防署には甲賀分署があり、常時3名が勤務しているということでした。地域的にも広く、山間部に住宅も多い甲賀町地域において、火事があった場合、従来の救急自動車のみの対応から、昨年度に更新された消防ポンプ自動車の旧車両を甲賀分署に配備することで、事案に応じた隊員の乗り替え対応が可能になりましたが、同時運用できる体制を整えるには、増員が必要とのことです。
消防職員の人員については、204名の条例定数にあり、ほぼ上限に近い人数に達しており、今後、条例定数の引き上げ、人員増強が喫緊の課題です。今後も消防団員が少なくなっていく中、常備消防に頼らなければならないことは否めず、今後も人員増強に向けた取り組みを継続していく必要があります。このことから、監査委員としての立場からも人員増強に向けた働きかけが最重要課題であるということを認識しています。
　もう1つの課題は、女性活躍についてです。今年度の主な事業として、消防本部3階仮眠室のパーテーション取付工事により、水口消防署、甲南消防署に加えて、本部の通信指令業務にも女性職員が就業できる環境が整いました。女性の応募は決して多くはない状況にありますが、今後もどのような形で就業の幅を広げていけるか、又、よりよい組織となるよう、女性を含めた職員1人1人の得意分野が生かせる職場を目指していただきたいと思います。
　市民の生命財産を守り、安心安全な生活を維持するため、計画的な常備消防力の充実、強化に日々取り組んでいただいており感謝いたします。今後も、甲賀市・湖南市の財政状況にも配慮しながら、取り組むべき課題に向けた経済的、効率的かつ効果的な消防行政の運営を願います。