令和6年度 定期監査結果(消防関係)の公表
[2025年1月16日]
このことについて、地方自治法第199条第1項、第2項及び第4項の規定、並びに 甲賀広域行政組合監査基準(令和2年公表)に基づき実施した定期監査の結果を、同条第9項の規定および同基準により下記のとおり報告する。
令和7年1月16日
甲賀広域行政組合監査委員 大角 勝一
甲賀広域行政組合監査委員 山岡 光広
消防業務関係
事務事業の執行が法令に適合し、正確かつ最少の経費で最大の効果を挙げるとともに、消防施設の維持管理状況並びに組織運営の効率化と経営の合理化に努めているかを着眼点として監査を実施した。
令和6年10月24日(木)
消防総務課に対し資料の提出を求め、その資料を基に関係書類を審査するとともに、事務執行状況や事業管理が法令に適合し、正確で経済的、効率的かつ効果的に実施されているかを監査した。
監査の結果、対象となった事務に関しては、事務処理の正確性、効率性、組織運営の合理化の観点からとくに指摘すべき事項はなく、適正に執行されていると認めた。
10月23日現在の出動件数については、火災52件、救急5,644件、救助97件、警戒1件、調査80件、その他154件となっており、とくに救急に関しては、このままの出動状況が続けば一昨年の6,497件と昨年に発生した過去最高の6,801件をともに更新することが予想されている。
また、10月1日現在の職員数は、湖南市からの派遣1名と定年延長職員1名を含む201名で、うち1名は湖南市へ出向し、1名は滋賀県消防学校教官に就任し、さらに1名は滋賀県防災航空隊にそれぞれ派遣されている。
このような状況の中で、定数条例における消防職員の定数は現在204名となっているが、こうした課題に対応するため、消防職員の定数増に向けた定員管理計画の見直しに基づく定数条例の改正が必要であると考える。
休暇等の取得状況については、1名が病気休暇、2名が育児休業である。なお、現在、育児休業中の2名は女性職員であるが、過去には短期間ではあるものの男性が育児休業を取得した実績もあった。これからも職員が、福利厚生の制度をさらに取得しやすい職場環境となるよう努めていただきたい。
今年度の主な事業は、車両運用端末装置及び車外設定端末部分更新業務委託、救助工作車2型の購入、消防本部庁舎棟空調設備改修工事基本計画(基本設計)策定業務委託、湖南中央消防署整備基本計画策定業務委託(繰越明許)、令和6年度新規採用職員(2次募集)貸与品の購入(債務負担行為)であり、それぞれの契約年月日、契約金額、請負業者、履行期限について説明を受けた。
また、消防本部、消防署、分署の庁舎、車両、職員数についての説明の中で、車両の更新に関しては計画的に更新されているが、車検時等の緊急対応車両を除いても車齢の大きいものも見受けられた。日頃の整備によって万全な出動体制が整えられていることと思うが、中長期的な更新計画の見直しについても検討するべきである。
一方、防火装備品、とくに防火衣については連続した災害出動に対応しなければならない状況があり、その場合は濡れたままの防火衣を着用し、乾かす間もなく次の出動に出向しなければならないという状況もあるということであったが、現在、防火衣は賃貸借とし、5年に1度のメンテナンスに備えて予備の防火衣を備える対応をとっているのが現状である。
また、日常の業務とは別に山岳救助隊、水難救助隊が編成されており、緊急出動に備えた訓練が定期的に実施されているということであった。
いずれにしても危険な業務であり、予備の防火衣の補充や訓練であっても手当を支給するなど、必要に応じた改善と対応の検討をするべきであると考える。
最後に、現在の女性消防隊員の配置状況を確認した。現状では、消防本部、通信指令課、水口消防署、甲南消防署が配置可能な状況であった。消防隊員を確保するうえで、女性消防隊員の存在も大きいものであり、今後全ての所属に配置可能となるよう施設環境整備を計画的に進めていただきたい。