○甲賀広域行政組合消防本部火災予防査察規程
平成19年5月1日
消防本部訓令第5号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5の規定に基づく資料の提出、報告の徴収及び消防職員の立入検査に関し、必要な事項を定めるものとする。
(1) 査察 法第4条又は第16条の5の規定により消防対象物に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況並びに危険物の貯蔵及び取扱いについて検査、質問を行い、火災予防上の不備事項について関係者に指摘し、その是正を促すことをいう。
(2) 査察対象物 前号において査察を執行する消防対象物をいう。
(3) 査察員 査察業務に従事する消防職員をいう。
(業務管理)
第3条 消防長又は署長は、次に掲げる事項により査察に係る業務管理を行わなければならない。
(1) 査察における行政責任を十分認識するとともに、世論の動向等を的確に洞察し、常に社会情勢に対応した査察の推進に努めること。
(2) 査察員に対する研修の実施、自己啓発の助長等により査察技術及び知識の向上を図るよう努めること。
(査察対象物の区分等)
第4条 査察対象物の区分及び範囲は、別表のとおりとする。
(査察の種別)
第5条 査察の種別は、次のとおりとする。
(1) 定期査察 計画に基づき定期的に実施する査察をいう。
(2) 特別査察 消防長又は署長が特に必要があると認めるときに対象物を指定して実施する査察をいう。
(3) 確認査察 査察により指摘した不備事項の改修状況を確認するため実施する査察をいう。
3 予防課長又は署長は、前2項の規定による査察計画の策定に際しては、査察対象物(以下この項において「対象物」という。)の自主管理状況、関係者からの法に基づく報告又は届出等の状況及び過去の査察結果等を勘案し、法令遵守の状況が優良でない対象物に対し、重点的に査察を実施するよう検討しなければならない。
(事前の通告)
第7条 査察の事前通告は、立入検査通告書(様式第4号)又は口頭により行うものとする。ただし、過去の違反状況等を勘案し、事前に通告しては効果的な査察が実施できないおそれがある場合については、この限りでない。
(査察員の遵守事項)
第8条 査察員は、査察を執行するにあたり、法第4条又は法第16条の5の規定によるほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 査察の執行に求められる知識及び技術の修得のほか、社会常識を備え、世論の動向を捉える見識や接遇マナーを身に付けること。
(2) 消防職員としてふさわしい毅然とした態度で臨み、決して威圧的、権力的な言動や態度で関係者に接し、消防への信頼を失わせることのないよう留意すること。
(3) 防火管理者、防災管理者、危険物保安監督者その他責任ある立場にある者の立会いを求めること。
(4) 関係者の民事問題に関与しないこと。
(5) 正当な理由なく立入りを拒否等された場合は、査察の必要性や目的について丁寧に説明し、相手方に理解を求めること。
(検査項目)
第9条 査察は、次の各号に掲げる項目について行うものとする。ただし、査察対象物の状況に応じ、必要と認める項目又はその部分について限定して行うことができるものとする。
(1) 建築物及び工作物
(2) 危険物、指定可燃物及びこれらの関係施設
(3) 消防用設備等又は特殊消防用設備等
(4) 対象火気設備及び器具
(5) 防火管理及び防災管理並びに保安管理
(6) ガス関係施設
(7) 火薬関係施設
(8) 前各号に掲げるもののほか、火災予防上必要と認められる事項
(関係行政機関との連携)
第12条 消防長又は署長は、査察の実施により消防法令以外の法令の防火に関する違反等を確認した場合は、当該法令の所管行政庁へ通知するものとする。
2 消防長又は署長は、法令違反を是正し、効果的に火災の危険性を排除するために、関係行政機関と十分な連絡調整を行い、当該機関の職員と合同で立入り等を実施できるものとする。
(資料の任意提出)
第13条 査察員は、査察において、火災予防上査察対象物の実態を把握するために必要と認める場合は、関係者に対し任意の資料提出を求めるものとする。
3 保管書を交付した資料について、保管の必要がなくなったときは、当該保管書と引換えに当該資料を関係者に返還するものとする。
(任意の報告)
第15条 査察員は、査察において、資料として現に存在していないもので、火災予防上必要と認める場合は、関係者に対し任意に必要な事項の報告を求めるものとする。
2 消防長又は署長は、前項の規定による報告があったときは、関係者に対し受領書を交付するものとする。
(違反処理への移行)
第18条 消防長、署長又は査察員は、査察において次に掲げる事項を確認した場合は、当該違反内容の重大性等を勘案し、時機を失することなく速やかに違反処理に移行しなければならない。
(1) 査察により覚知した不備事項に火災発生危険等の緊急性が認められる場合
(2) 改修(計画)報告書の報告期限を過ぎて報告書が未提出の場合
(3) 改修(計画)報告書の内容に不備があるにもかかわらず指導に応じない場合
(4) 改修(計画)報告書に記載されていた改修予定期日に改修が完了していない場合
2 指定数量以上の危険物を貯蔵又は取り扱う施設について、本条の規定に係る必要な事項は、管理者が別に定める。
2 査察員は、査察を行ったときは、査察台帳等に記録するとともに、内容に変更が生じた場合は、その都度整理するものとする。
(その他必要な事項)
第20条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成19年5月1日から施行する。
(訓令廃止)
2 甲賀広域行政組合消防本部火災予防査察規程(平成14年甲賀郡消防本部訓令第2号)は、廃止する。
附則(平成21年4月9日消本訓令第16号)
この訓令は、公布の日から施行し、改正後の第4条及び第6条第1項の規定は、平成21年4月1日から適用する。
附則(平成26年3月25日消本訓令第4号)
この訓令は、公布の日から施行する。ただし、様式第2号の改正規定については、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月29日消本訓令第8号)
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和元年8月9日消本訓令第13号)
この訓令は、公布の日から施行する。
別表(第4条関係)
査察対象物の区分
対象物区分 | 対象物の範囲 |
第1種査察対象物 | ○ 法第8条の2の2第1項の消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)で定める防火対象物 ○ 指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っていると認められるすべての施設 |
第2種査察対象物 | ○ 法第8条第1項の政令で定める防火対象物のうち第1種査察対象物以外で、政令第35条第1項第1号及び第2号に掲げる防火対象物 |
第3種査察対象物 | ○ 第1種査察対象物及び第2種査察対象物以外の政令別表第1に掲げる防火対象物 |
第4種査察対象物 | ○ 上記に掲げる査察対象物以外の査察対象物 |