○甲賀広域行政組合消防本部患者等搬送事業者指導及び認定に関する要綱
平成20年9月1日
消防本部訓令第7号
(目的)
第1条 この要綱は、介護を必要とする者、身体障害者及び傷病者等(以下「患者等」という。)を対象に、これらの者の医療機関への入退院、通院及び転院並びに社会福祉施設への送迎に際し、ストレッチャーと車椅子を固定できる患者等搬送用自動車を用いて、搬送を実施する患者等搬送事業を行う患者等搬送事業者並びに車椅子のみを固定できる患者等搬送用自動車を用いて、搬送を実施する患者等搬送事業(車椅子専用)を行う患者等搬送事業者(車椅子専用)(以下「事業者」という。)の指導及び認定について必要な事項を定めるものとする。
(認定の対象となる事業者)
第2条 認定対象となる事業者は、甲賀広域行政組合消防本部管内に事業所を有し、道路運送法(昭和26年法律第183号)に定められた次の各号に掲げるいずれかの許可を受けた者とする。
(1) 一般乗用旅客自動車運送事業
(2) 一般貸切旅客自動車運送事業
(3) 特定旅客自動車運送事業
(4) 自家用有償旅客運送
(認定の基準)
第3条 ストレッチャーと車椅子を固定できる患者等搬送用自動車を用いて、搬送を実施する患者等搬送事業を行う患者等搬送事業者の認定の基準は、別表第1のとおりとする。
2 車椅子のみを固定できる患者等搬送用自動車を用いて、搬送を実施する患者等搬送事業の認定の基準は、別表第2のとおりとする。
2 患者等搬送事業認定(更新)申請書には、次の各号に掲げる書類を添付しなければならない。
(1) 乗務員名簿(様式第2号)
(2) 患者等搬送用自動車届(様式第3号)
(3) 患者等搬送事業に係る道路運送法に定められた許可書、又は登録書の写し
(4) 患者等搬送事業に使用する自動車の自動車検査証の写し
(2) 患者等搬送事業認定マーク(別図1)又は患者等搬送事業認定マーク(車椅子専用)(別図2)
(3) 患者等搬送用自動車認定マーク(別図3)又は患者等搬送用自動車認定マーク(車椅子専用)(別図4)
(認定基準に適合した事業者の管理)
第7条 消防長は、認定基準に適合した事業者(以下「認定事業者」という。)について次の各号を作成し管理するものとする。
(1) 患者等搬送事業認定簿(様式第8号)
(2) 認定患者等搬送事業者台帳(様式第9号)
(認定の有効期間)
第9条 認定の有効期間は、認定を受けた日の翌日から起算して5年とする。
(認定の更新)
第10条 認定事業者が、認定の有効期間の満了後も引き続き認定を受けようとするときは、第4条に定める関係書類により有効期間満了日の3箇月前から7日前までに消防長に申請しなければならない。
2 更新時の手続きは、認定時の手続きを準用する。
(認定証等の再交付の申請)
第11条 認定事業者は、認定証等を亡失、滅失及び汚損若しくは破損したときは、認定証等再交付申請書(様式第11号)により消防長に申請しなければならない。
2 消防長は、前項に定める届出があったときは、必要に応じて調査又は審査を行うものとする。
(事業の休止等)
第13条 認定事業者は、患者等搬送事業の全部若しくは一部を休止し、又は廃止したときは、患者等搬送事業休止・廃止届出書(様式第13号)により消防長に届け出なければならない。
(認定の失効)
第14条 認定は、次の各号のいずれかに該当するときは、その効力を失うものとする。
(1) 道路運送法に定められた国土交通大臣の許可等が取消され、又は失効したとき。
(2) 患者等搬送事業を廃止したとき。
(3) 認定の有効期間が満了したとき。
(認定事業者の責務)
第15条 認定事業者は、認定基準及び別表第4に掲げる遵守義務を誠実に履行しなければならない。
(1) 患者等を搬送中に症状が悪化し、心肺蘇生を実施したとき。
(2) 患者等搬送業務実施中に救急自動車を要請したとき。
(3) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、指定感染症及び新感染症の患者等を扱ったとき、又は事後に判明したとき。
(4) 患者等の搬送中においてストレッチャー等からの転落、又は交通事故が発生したとき。
3 認定事業者は、患者等搬送用自動車及び積載資器材の消毒を実施したときは、消毒実施記録票(様式第16号)に記録し、患者等搬送用自動車の見やすい場所に表示しておかなければならない。
(認定事業者の調査)
第16条 消防長は、認定事業者に対し、年1回以上認定基準及び遵守義務の履行状況について調査するものとする。
(1) 患者等搬送事業事故発生報告書の内容を確認するとき。
(2) 認定取消しに該当する事案が発生したとき。
(3) その他消防長が必要と認めたとき。
(認定の取消し)
第17条 消防長は、次の各号のいずれかに該当するときは、認定を取消すことができる。
(1) 偽りその他不正な手段により認定を受けたことが判明したとき。
(2) 認定基準に適合しないことが判明したとき。
(3) 遵守義務を誠実に履行していないとき。
(4) 正当な理由なく、前条の調査を拒み又は虚偽の報告をしたとき。
(5) 故意又は重大な過失により、患者等搬送業務実施中に重大な事故を発生させたとき。
(6) 患者等搬送業務に関し、犯罪行為その他社会通念上認定事業者としてふさわしくない行為をしたとき。
(7) その他、認定を継続することが不適当と判断されるとき。
2 認定を受けた患者等搬送用自動車を廃車するときは、速やかに患者等搬送用自動車認定マーク(別図3)又は患者等搬送用自動車認定マーク(車椅子専用)(別図4)を消防長に返還しなければならない。
(欠格期間)
第19条 第17条の規定により認定を取消された事業者は、取消しの日から1箇月を経過しなければ認定の申請をすることはできない。
(1) 消防長が行う別表第5の基礎講習を受講し修了した者
2 適任証の交付を受けようとする者及び適任証の交付を受けた者で、適任証を亡失、滅失及び汚損若しくは破損したときは、患者等搬送乗務員適任証交付(再交付)申請書(様式第20号)により消防長に申請しなければならない。
(適任証の有効期限)
第21条 適任証の有効期間は、交付の日から2年間とする。ただし、消防長が行う別表第7の定期講習を受講した者については、更に2年間有効とし、それ以降も同様とする。
(講習等)
第22条 消防長は、搬送業務に必要な知識、技術を乗務員に修得させるため、定期的に又は臨時に次の各号に掲げる講習を実施する。
(1) 患者等搬送乗務員基礎講習
(2) 患者等搬送乗務員基礎講習(車椅子専用)
(3) 患者等搬送乗務員定期講習
3 基礎講習の修了考査は、別表第8に掲げる内容とし、80点以上を合格とする。
4 消防長が行う講習の講師は、別表第9に掲げるものとする。
(講習修了者の管理)
第23条 消防長は、基礎講習を受講した者を患者等搬送乗務員講習修了者管理簿(様式第22号)に記載し、管理するものとする。
(他の実施機関で取得した者の取扱いについて)
第24条 他の実施機関で適任証を取得した者は、交付を受けた講習が総務省消防庁の実施要綱に基づく場合、消防長が交付したものとみなす。
(その他)
第25条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この要綱は、平成20年9月1日から施行する。
附則(平成31年1月24日消本訓令第1号)
(施行期日)
この要綱は、平成31年1月24日から施行する。
附則(令和元年8月9日消本訓令第18号)
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(令和3年3月8日消本訓令第1号)
この要綱は、公布の日から施行する。
別表第1(第3条関係)
患者等搬送事業認定基準
項目 | 内容 |
1 認定の対象となる事業者 | 認定の対象となる事業者は、道路運送法に定める次の者とする。 ① 一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた者 ② 一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けた者 ③ 特定旅客自動車運送事業の許可を受けた者 ④ 自家用有償旅客運送の許可を受けた者 |
2 乗務員の要件 | 患者等搬送用自動車に同乗し、搬送に従事する者(以下「乗務員」という。)は、満18歳以上の次の各号のいずれかに該当する者で、かつ、消防機関からの患者等搬送乗務員適任証の交付を受けている者をもって充てられていること。 (1) 別表第5に掲げる消防機関が行う講習を修了した者 (2) 別表第6に掲げる前号の者と同等以上の知識及び技能を有する者 |
3 運行体制 | 事業者は、患者等搬送用自動車1台につき2名以上の乗務員をもって業務が実施できる体制が整えられていること。 |
4 患者搬送用自動車の要件 | 患者等搬送用自動車は、次の各号に掲げる構造及び設備を有するものであること。 ① 患者等搬送用自動車は、サイレン又は赤色警告灯を装備するなど、救急自動車と紛らわしい外観を呈していないこと。 ② 十分な緩衝装置を有すること。 ③ 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。 ④ 乗務員が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。 ⑤ ストレッチャー及び車椅子等が確実に固定できる構造であること。 ⑥ 携帯が可能な通信機器等、連絡に必要な設備を有していること。 |
5 積載資器材 | 患者等搬送用自動車には、別表第3に掲げる資器材を積載すること。 |
6 服装 | 乗務員の服装は、患者等搬送業務にふさわしいものであること。 |
別表第2(第3条関係)
患者等搬送事業認定基準(車椅子専用)
項目 | 内容 |
1 認定の対象となる患者等搬送事業者 | 認定の対象となる事業者は、道路運送法に定める次の者とする。 ① 一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた者 ② 一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けた者 ③ 特定旅客自動車運送事業の許可を受けた者 ④ 自家用有償旅客運送の許可を受けた者 |
2 乗務員の要件 | 患者等搬送用自動車に同乗し、搬送に従事する者(以下「乗務員」という。)は、満18歳以上の次の各号のいずれかに該当する者で、かつ、消防機関からの患者等搬送乗務員適任証の交付を受けている者をもって充てられていること。 (1) 別表第5に掲げる消防機関が行う講習を修了した者 (2) 別表第6に掲げる前号の者と同等以上の知識及び技能を有する者 |
3 運行体制 | 事業者は、患者等搬送用自動車1台につき1名以上の乗務員をもって業務が実施できる体制が整えられていること。 ただし、搬送中に容態急変の可能性が高い場合については、医師等を同乗させ、又は、乗務員数を2名以上とする等、対応に必要な体制が確保されていること。 |
4 患者搬送用自動車の要件 | 患者等搬送用自動車は、次の各号に掲げる構造及び設備を有するものであること。 ① 患者等搬送用自動車は、サイレン又は赤色警告灯を装備するなど、救急自動車と紛らわしい外観を呈していないこと。 ② 十分な緩衝装置を有すること。 ③ 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。 ④ 乗務員が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。 ⑤ 車椅子等が確実に固定できる構造であること。 ⑥ 携帯が可能な通信機器等、連絡に必要な設備を有していること。 |
5 積載資器材 | 患者等搬送用自動車には、別表第3に掲げる資器材を積載すること。 |
6 服装 | 乗務員の服装は、患者等搬送業務にふさわしいものであること。 |
別表第3(別表第1・別表第2関係)
患者等搬送用自動車に積載する資器材
分類 | 品名 |
呼吸管理用資器材 | バックバルブマスク ポケットマスク |
保温・搬送用資器材 | 敷物 保温用毛布 担架 まくら |
創傷等保護用資器材 | 三角巾 ガーゼ 包帯 タオル 絆創膏 |
消毒用資器材 | 噴霧消毒器 各種消毒薬 |
その他の資器材 | はさみ マスク ピンセット 手袋 膿盆汚物入れ 体温計 自動体外式除細動器(AED) |
備考
1 車椅子専用車両について、バックバルブマスク、まくら、敷物、ピンセットの積載は、各事業者の任意とする。
2 自動体外式除細動器(AED)及び積載する資器材の個数は、各事業者の任意とする。
別表第4(第15条関係)
患者等搬送事業者遵守義務
項目 | 内容 |
1 事業実施の基本原則 | (1) 事業者は、患者等からの通報の適正処理及び患者等の搬送技能の向上に努めること。 (2) 事業者は、緊急性のない者を搬送対象とすること。 (3) 事業者は、事業の社会的責任を十分に理解し、関連法規を遵守すること。 |
2 消防機関との連携 | 事業者は、次の各号のいずれかに該当するとき、119番等により、患者等の居る場所、状態及び掛かり付け医療機関等を消防機関に通報し、救急自動車を要請すること。 ① 患者等からの要請時点において、緊急に医療機関へ搬送が必要であると判断したとき。なお、この場合は、併せて乗務員を派遣すること。 ② 要請者の依頼場所に到着時点において、緊急に医療機関に搬送する必要があると判断したとき。 ③ 患者等の搬送途上において、緊急に医療機関に搬送する必要があると判断したとき。 |
3 適任証の携行 | 事業者は、乗務員を患者等搬送事業に従事させるときは、適任証を携行させること。 |
4 知識及び技術の維持管理 | 事業者は、乗務員の応急手当技能を適切に管理するために、適任証の交付を受けた乗務員に、2年に1回以上消防機関が行う定期講習を受講させること。 |
5 消毒 | 患者等搬送用自動車及び積載資器材については、次の各号により行うこと。 ① 定期消毒 毎月1回以上 ② 使用後消毒 毎使用後 ③ 医師から消毒について特別な指示があった場合は、指示の基づいた消毒を行うこと。 |
6 衛生・安全管理 | (1) 患者等搬送用自動車及び積載資器材については、点検整備を確実に行い、清潔保持に努めること。 (2) 乗務員の服装は、患者等搬送業務にふさわしいものとし、清潔の保持に努めること。 |
7 事業案内 | パンフレット等の事業案内には、救急隊と同レベルの活動ができるかのような表現はしてはならない。 |
別表第5(第20条関係)
患者等搬送乗務員基礎講習
課目 | 時間数 |
総論 | 1(1) |
観察要領及び応急措置 (AED及び一定の頻度者が受講する講習と同等の内容を含む) | 13(9) |
体位管理要領 | 2(1) |
消防機関との連携要領 | 2(2) |
車両、資器材の消毒及び感染防止要領 | 2(1) |
搬送法 | 2(1) |
修了考査 | 2(1) |
合計 | 24(16) |
※ 課目の1時間は、45分とする。
括弧内は、椅子専用の時間数とする。
別表第6(第20条関係)
患者等搬送乗務員基礎講習を修了した者と同等以上の知識及び技能を有する者
| 分類 |
1 | 救急救命士の資格を有する者及び消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第51条に定められた救急業務に関する講習課程を修了した者 |
2 | 日本赤十字社の行う応急処置に関する講習を受けた者で、資格の有効期間内の者 ただし、消防機関が行う適任者講習に不足する課目については、消防機関の講習を受講すること。 |
3 | 上記、1及び2に掲げる者以上の知識及び技能を有すると消防長が認めた者(医師、看護師、保健師、助産師等) |
別表第7(第21条関係)
患者等搬送乗務員定期講習
課目 | 時間数 |
観察要領及び応急措置 | 2 |
体位管理要領 | 1 |
合計 | 3 |
※ 課目の1時間は、45分とする。
別表第8(第22条関係)
患者等搬送乗務員基礎講習修了考査基準
区分 | 課目 | 配点 |
実技 | 観察要領及び応急措置 | 60点 |
筆記 | 消防機関との連携要領 | 20点 |
車両、資器材の消毒及び感染防止要領 | 20点 | |
合計 | 100点 |
別表第9(第22条関係)
消防長が行う講習の講師
| 分類 |
1 | 救急隊長として3年以上の実務経験を有するもので、消防長が適任と認めた者 |
2 | 消防大学校の救急科課程の修了者で、消防長が適任と認めた者 |
3 | 消防学校の救急科課程の教官として2年以上の経験を有するもので、消防長が適任と認めた者 |