○甲賀広域行政組合ストレスチェック制度実施要綱
平成28年6月8日
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条の10に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査等(以下「ストレスチェック」という。)を甲賀広域行政組合(以下「組合」という。)が実施するにあたり、必要な事項を定めることを目的とする。
(制度の趣旨等の周知)
第2条 組合は、次の内容のストレスチェック制度の趣旨等を職員に周知する。
(1) ストレスチェック制度は、職員自身のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものであること。
(2) 職員がストレスチェックを受ける義務まではないが、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、全ての職員が受けることが望ましいこと。
(3) ストレスチェック制度では、ストレスチェックの結果は直接本人に通知され、本人の同意なく組合が結果を入手するようなことはないこと。したがって、ストレスチェックを受けるときは、正直に回答することが重要であること。
(4) 本人が面接指導を申し出た場合に、組合が入手したストレスチェックの結果は、本人の健康管理の目的のために使用し、それ以外の目的に利用することはないこと。
第2章 ストレスチェック制度の実施体制
(ストレスチェック制度担当者)
第3条 ストレスチェック制度の実施計画の策定及び計画に基づく実施の管理等の実務を担当するストレスチェック制度担当者は、総務課及び消防総務課職員とする。
(ストレスチェックの実施者)
第4条 ストレスチェックの実施者は、組合の産業医及び組合がストレスチェック業務を委託した外部機関(以下「委託先外部機関」という。)とし、組合の産業医を実施代表者、委託先外部機関を共同実施者とする。
(ストレスチェックの実施事務従事者)
第5条 実施者の指示のもと、ストレスチェックの実施事務従事者として、総務課及び消防総務課職員並びに委託先外部機関職員に、ストレスチェックの実施日程の調整・連絡、調査票の配布、回収、データ入力等の各種事務処理を担当させる。
2 総務課長及び消防総務課長は、これらのストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務に従事しない。
(面接指導の実施者)
第6条 ストレスチェックの結果に基づく面接指導は、組合の産業医又は組合が指定した医師が実施する。
第3章 ストレスチェック制度の実施方法
第1節 ストレスチェック
(実施時期)
第7条 ストレスチェックは、毎年1回、期間を定めて実施する。
(対象者)
第8条 ストレスチェックは、常時勤務する職員を対象に実施する。
2 ストレスチェック実施期間中に、出張等の業務上の都合によりストレスチェックを受けることができなかった職員に対しては、別途期間を設定して、ストレスチェックを実施する。
3 ストレスチェック実施期間に休職していた職員のうち、休職期間が1月以上の職員については、ストレスチェックの対象外とする。
(受検の方法等)
第9条 職員は、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、組合が設定した期間中にストレスチェックを受けるよう努めなければならない。
2 ストレスチェックは、職員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであることから、ストレスチェックにおいて職員は自身のストレスの状況をありのままに回答すること。
3 組合は、なるべく全ての職員がストレスチェックを受けるよう、実施期間の開始日後に職員の受検の状況を把握し、受けていない職員に対して、実施事務従事者を通じて受検の勧奨を行う。
(調査票及び方法)
第10条 ストレスチェックは、厚生労働省の推奨する57項目の職業性ストレス簡易調査票を用いて、紙媒体で行う。
(ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法)
第11条 ストレスチェックの個人結果の評価は、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(平成27年5月厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)(以下「マニュアル」という。)に示されている素点換算表を用いて換算し、その結果をレーダーチャートに示すことにより行う。
2 高ストレス者の選定は、マニュアルに示されている「評価基準の例(その1)」に準拠し、以下のいずれかを満たす者を高ストレス者とする。
(1) 「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が77点以上である者
(2) 「仕事のストレス要因」(17項目)及び「周囲のサポート」(9項目)を合算した合計点数が76点以上であって、かつ、「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が63点以上の者
(ストレスチェック結果の通知方法)
第12条 ストレスチェックの個人結果の通知は、実施者の指示により、実施事務従事者が、封書で配布する。
2 ストレスチェック結果の通知に際しては、封筒の重さ、厚さ、見た目等により結果が判別できないようにしなければならない。
(カウンセリング)
第13条 実施者は、高ストレス者に対して、保健師、看護師若しくは精神保健福祉士又は産業カウンセラー若しくは臨床心理士等の心理職によるカウンセリングを実施することができる。
2 カウンセリングの実施方法は、ストレスチェック結果の通知にあわせて案内する。
(セルフケア)
第14条 職員は、ストレスチェックの結果に基づいて、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うように努めなければならない。
第2節 医師による面接指導
(面接指導の申出の方法)
第15条 ストレスチェックの結果、医師の面接指導を受ける必要があると判定された職員が、医師の面接指導を希望する場合は、ストレスチェック結果の通知に同封された面接指導申出書に記入し、ストレスチェック結果の通知を受け取った日から30日以内に、実施事務従事者あてに送付しなければならない。なお、面接指導を申し出た職員は、自身のストレスチェックの結果が組合に提供されることを同意したものとみなす。
(面接指導の実施方法)
第16条 面接指導の実施日時及び場所は、実施者の指示により、実施事務従事者が、該当する職員及び所属長に通知する。面接指導の実施日時は、面接指導申出書が提出されてから、30日以内に設定する。なお、実施事務従事者は、第三者にその職員が面接指導の対象者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。
2 通知を受けた職員は、指定された日時に面接指導を受けるものとし、所属長は、職員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。
(面接指導結果に基づく医師の意見聴取方法)
第17条 組合は、産業医又は面接指導を実施した医師に対して、面接指導が終了してから遅くとも30日以内に、面接指導結果報告書兼意見書により、結果の報告及び意見の提出を求める。
(面接指導結果を踏まえた措置の実施方法)
第18条 面接指導の結果、就業上の措置が必要との意見書が産業医又は面接指導を実施した医師から提出され、人事異動を含めた就業上の措置を実施する場合は、次長又は消防次長が、産業医同席の上で、該当する職員に対して、就業上の措置の内容及びその理由等について説明を行う。
2 職員は、正当な理由がない限り、組合が指示する就業上の措置に従わなければならない。
第3節 集団ごとの集計・分析
(集計・分析の対象集団)
第19条 ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析は、原則として、所属ごとの単位で行う。ただし、10人未満の所属については、同じ部門に属する他の所属と合算して集計・分析を行う。
(集計・分析の方法)
第20条 集団ごとの集計・分析は、マニュアルに示されている仕事のストレス判定図を用いて行う。
(集計・分析結果の利用方法)
第21条 実施者の指示により、実施事務従事者が、総務課又は消防総務課に、所属ごとに集計・分析したストレスチェック結果(個人のストレスチェック結果が特定されないもの)を提供する。
2 組合は、所属ごとに集計・分析された結果に基づき、必要に応じて、職場環境の改善のための措置を実施する。職員は、組合が行う職場環境の改善のための措置の実施に協力しなければならない。
第4章 記録の保存
(ストレスチェック結果の記録の保存方法)
第22条 ストレスチェック結果の記録の保存担当者は、総務課又は消防総務課の実施事務従事者とし、ストレスチェック結果の記録を、総務課又は消防総務課の施錠できるロッカーで5年間保存する。
2 保存担当者は、第三者にストレスチェック結果の記録が閲覧されることがないよう、責任をもって鍵の管理をしなければならない。
(集団ごとの集計・分析結果及び面接指導結果の保存方法)
第23条 実施者から提供された集団ごとの集計・分析結果及び産業医又は面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)は、総務課又は消防総務課で5年間保存する。
2 総務課又は消防総務課は、第三者にこれらの資料が閲覧されることがないよう、責任をもって管理をしなければならない。
第5章 ストレスチェック制度に関する情報管理
(面接指導結果の共有範囲)
第24条 面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)は、総務課又は消防総務課内のみで保有し、そのうち勤務上の措置の内容など、職務遂行上必要な情報に限定して、該当する職員の所属長及び上司に提供する。
(集団ごとの集計・分析結果の共有範囲)
第25条 集団ごとの集計・分析結果は、総務課又は消防総務課で保有するとともに、当該所属の所属長に提供する。
2 集団ごとの集計・分析結果とその結果に基づいて実施した措置の内容は、必要に応じ衛生委員会に報告する。
(健康情報の取扱いの範囲)
第26条 ストレスチェック制度に関して取り扱われる職員の健康情報のうち、診断名、検査値、具体的な愁訴の内容等の生データや詳細な医学的情報は、産業医が取り扱わなければならず、総務課又は消防総務課に関連情報を提供する際には、適切に加工しなければならない。
第6章 情報開示及び苦情処理
(情報開示等の手続)
第27条 職員は、ストレスチェック制度に関して情報の開示等を求める際には、甲賀広域行政組合個人情報保護条例(平成19年甲賀広域行政組合条例第9号)の規定に基づいて行う。
(ストレスチェック制度に関する情報の開示等についての苦情相談)
第28条 ストレスチェック制度に関する情報の開示等についての苦情相談の窓口は総務課又は消防総務課とする。
(守秘義務)
第29条 職員からの情報開示等や苦情申立てに対応する総務課及び消防総務課の職員は、それらの職務を通じて知り得た職員の秘密(ストレスチェックの結果その他の職員の健康情報)を、他人に漏らしてはならない。
第7章 不利益な取扱いの防止
(組合が行わない行為)
第30条 組合は、ストレスチェック制度に関して、組合が次の行為を行わないことを職員に周知する。
(1) ストレスチェック結果に基づき、医師による面接指導の申出を行った職員に対して、申出を行ったことを理由として、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(2) ストレスチェックを受けない職員に対して、受けないことを理由として、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(3) 医師による面接指導が必要とされたにもかかわらず、面接指導の申出を行わない職員に対して、申出を行わないことを理由として、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(4) 就業上の措置を行うに当たって、労働安全衛生法及び労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に定められた手順を踏まずに、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(5) 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置を行うに当たって、労働安全衛生法その他の法令に定められた要件を満たさない内容で、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(6) 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置として、次に掲げる措置を行うこと。
ア 免職すること。
イ 退職勧奨を行うこと。
ウ 不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位の変更を命じること。
エ その他の関係法令に違反する措置を講じること。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(平成28年7月5日)
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(平成29年6月30日)
この要綱は、平成29年7月1日から施行する。