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『熱中症』例年以上に警戒を!(令和4年5月から6月までの熱中症による救急搬送状況の概要)

[2022年7月14日]

『熱中症』例年以上に警戒を!

『熱中症』例年以上に警戒を!

令和4年6月14日に近畿地方の梅雨入りが発表され、わずか14日後の6月28日に近畿地方の梅雨明けが発表されました。この梅雨入りの期間において、本消防本部が管轄する甲賀市及び湖南市では真夏日を9日、猛暑日を1日記録し、梅雨明け後は、連日猛暑日を記録しています。このような気温状況の中、本消防本部では、熱中症による救急搬送が前年の3倍以上発生しています。また、体が暑さに慣れていない中、急激に気温が上昇したことで重症化しやすい傾向にあります。 今後も真夏日、猛暑日が予報されており、熱中症による救急搬送が例年より大幅に増加すると予想されます。例年以上に熱中症に警戒するとともに万全な熱中症予防対策が必要です。

令和4年の熱中症による救急搬送人員

令和4年5月1日からから6月30日までの熱中症による救急搬送人員は、過去5年間で最も多い38人となっています。前年と比べると28人増加しており、3倍以上の搬送人員となっています。
過去5年間の熱中症による救急搬送人員(各年5月~6月)

過去5年間の熱中症による救急搬送人員(各年5月~6月)

月別救急搬送人員

令和4年5月の熱中症による救急搬送人員が8人、6月が30人であり、ともに過去5年間で最も多い搬送人員となっています。特に6月は、梅雨入り後、多湿環境下から熱中症による救急搬送が徐々に増加し、梅雨時期後半では、体が暑さに慣れていない中、猛暑日に迫る暑さが連日続いたことで急激に熱中症に伴う救急搬送人員が増加しました。
過去5年間における月別の熱中症による救急搬送人員(各年5月~6月)

過去5年間における月別の熱中症による救急搬送人員(各年5月~6月)

傷病程度別搬送人員

令和4年に熱中症により搬送された38人の傷病程度の内訳は、軽症26人、中等症12人、重症0人、死亡0人となっており、過去5年間と比較すると重症化しやすい傾向となっています。
過去5年間における傷病程度別の熱中症による救急搬送人員(各年5月~6月)

過去5年間における傷病程度別の熱中症による救急搬送人員(各年5月~6月)

事故種別

事故種別による救急搬送人員は、急病が28人で全体の約74%と最も多く、次いで労働災害6人(約16%)、運動競技4人(約10%)となっています。
事故種別による救急搬送人員の割合(令和4年5月~6月)

事故種別による救急搬送人員の割合(令和4年5月~6月)

救急搬送人員と気温の状況

令和4年6月までの熱中症による救急搬送人員と気温の関係を見ると、30℃以上(真夏日)の日が10日あり、救急搬送人員は21人でした。また、35℃以上(猛暑日)の日は、3日あり、救急搬送人員は10人でした。体が暑さに慣れていない中、気温が急激に上昇したことで熱中症となり、救急搬送されていることがわかります。
熱中症による救急搬送人員と気温(令和4年5月~6月)

熱中症による救急搬送人員と気温(令和4年5月~6月)

救急要請時の気温と救急搬送人員

救急要請時の気温を見ると、30℃台から35℃台で21人が救急搬送されており、その内31℃台から32℃台で12人が救急搬送されています。気温の上昇とともに熱中症による救急搬送も増加しています。今後は、連日猛暑日となることが予想されることから、より一層の熱中症への対策が必要です。
救急要請時の気温と救急搬送人員(令和4年5月~6月)

救急要請時の気温と救急搬送人員(令和4年5月~6月)

救急要請時の気温と湿度

令和4年においても多湿環境下で熱中症により救急搬送されていることがわかります。既に気温30度未満、湿度70%以上で7人が救急搬送されています。
救急要請時の気温と湿度(令和4年5月~6月)

救急要請時の気温と湿度(令和4年5月~6月)

時間帯別及び年齢別の救急搬送人員

時間帯別の救急搬送状況を見ると、12時から14時までが16人と最も多く、次いで10時から12時までが7人となっています。

年齢別で見ると、15歳未満が8人と特に多く(前年5月から9月まで15歳未満の救急搬送人員3人)、8人全員が12時から14時までに熱中症となっています。また、15歳以上65歳未満、65歳以上75歳未満も12時から14時までに熱中症となる傾向が高いことがわかります。75歳以上では、10時から12時までが最も多く、気温が上がりきる前に熱中症となる傾向が高いことがわかります。


時間帯別及び年齢別の救急搬送人員(令和4年5月~6月)

時間帯別及び年齢別の救急搬送人員(令和4年5月~6月)

傷病程度別及び年齢別の救急搬送人員

令和4年は、全年齢区分で中等症以上となる傷病者が発生しています。また、中等症の年齢区分を見ると、15歳以上65歳未満、75歳以上が4人と最も多くなっています。
傷病程度別及び年齢別の救急搬送人員(令和4年5月~6月)

傷病程度別及び年齢別の救急搬送人員(令和4年5月~6月)

発生場所及び年齢別の救急搬送人員

令和4年の熱中症による救急発生場所は、住居が15人で全体の約39%と最も多く、次いで仕事場(工場等)、教育機関が5人(約13%)、公衆出入り場所(屋外)が4人(約11%)、公衆出入り場所(屋内)、道路が2人(約5%)、仕事場(農地等)が1人(約3%)となっています。

年齢別で見ると15歳未満は、教育機関、公衆出入り場所(屋外)が4人と最も多く、次いで公衆出入り場所(屋内)が1人となっています。

15歳以上65歳未満は、住居が6人と最も多く、次いで仕事場(工場等)が5人、仕事場(農地等)及び教育機関が1人となっています。

65歳以上75歳未満は、住居が2人と最も多く、次いで道路が1人となっています。

75歳以上は、住居が7人と最も多く、次いで公衆出入り場所(屋外)、道路が1人となっています。

住居等、屋内での熱中症を防ぐためにエアコン、扇風機等を積極的に使用し、高温多湿な環境を作らないようにしましょう。また、こまめに水分、塩分を補給しましょう。 なお、道路における熱中症の救急搬送人員は2人と少ないですが、コロナ禍で夏場でもマスクを着用するようになって以降、道路上での発生件数が増加しており、令和4年においても警戒が必要です。

発生場所及び年齢別の救急搬送人員(令和4年5月~6月)

発生場所及び年齢別の救急搬送人員(令和4年5月~6月)

令和4年の本消防本部管内における熱中症による救急搬送事例と予防対策

住居等の屋内で熱中症になった事例

〇小屋内で農作業中、全身倦怠感及び呼吸苦が出現したため救急要請

 (令和4年5月 80代男性 軽症 気温26.3℃ 湿度36.1%)

〇体育館での体育の授業後、全身倦怠感が出現したため救急要請

 (令和4年6月 10代男性 軽症 気温21.9℃ 湿度70.0%)

〇工場内で作業中、頭痛、嘔気及びめまいが出現したため救急要請

 (令和4年6月 20代男性 中等症 気温25.0℃ 湿度72.4%)

〇自宅内にて全身倦怠感及び嘔吐が出現したため救急要請

 (令和4年6月 60代女性 中等症 気温32.0℃ 湿度55.8%)

〇自宅内で動けなくなったため救急要請

 (令和4年6月 80代男性 中等症 気温34.0℃ 湿度37.4%)

〇自宅内で手のしびれが出現したため救急要請

 (令和4年6月 60代女性 中等症 気温34.1℃ 湿度48.8%)

〇体育館でマスクを着用し、合唱の練習中に卒倒したため救急要請

 (令和4年6月 10歳未満男児 軽症 気温34.8℃ 湿度47.2%)

屋外の作業により熱中症になった事例

〇集配作業中、気分不良となり、めまい及び嘔吐が出現したため救急要請

 (令和4年5月 60代男性 中等症 気温26.4℃ 湿度43.6%)

〇草刈り作業中、気分不良となり、嘔気及び嘔吐が出現したため救急要請

 (令和4年6月 60代男性 軽症 気温24.1℃ 湿度77.4%)

〇草刈り作業中、意識障害が出現したため救急要請

 (令和4年6月 70代女性 中等症 気温32.0℃ 湿度56.3%)

〇野外活動後、気分不良により救急要請

 (令和4年6月 10歳未満男児 軽症 気温32.9℃ 湿度51.1%)

屋外で運動中に熱中症になった事例

〇ゴルフプレー中、全身倦怠感及び嘔気が出現したため救急要請

 (令和4年5月 70代男性 軽症 気温22.1℃ 湿度73.0%)

〇野球の試合中、頭痛及び寒気が出現したため救急要請

 (令和4年5月 10代男性 中等症 気温31.8℃ 湿度58.6%)

〇テニスの練習中、気分不良を訴え倒れたため救急要請

 (令和4年6月 10代女性 軽症 気温31.8℃ 湿度58.6%)

屋内における予防対策

〇屋内では、窓を開けて風通しを良くしたり、エアコン、扇風機等を積極的に使用し、高温多湿な環境を作らないようにしましょう。

〇こまめに水分、塩分を補給しましょう。特に子ども、高齢者、障がい者等には、周囲の方による事前のサポートが必要であり、喉の渇きを感じる前にこまめに水分、塩分補給を促すことが重要です。

〇新型コロナウイルス感染症を予防するためには、冷房時でも換気扇や窓開放によって換気を確保する必要があります。この際、室内温度が高くなるので、熱中症予防のためエアコンの温度設定をこまめに調整しましょう。

屋外における予防対策

〇のどが渇いていなくても、こまめに水分、塩分補給をしましょう。

〇屋外では日傘、帽子等を使用し、できるだけ直射日光を避けましょう。

〇風通しの良い服装等を心がけ、体に熱を溜めこまない工夫をしましょう。

〇指導者等は、のどの渇きを感じる前にこまめに水分、塩分補給を促すことが重要です。積極的、計画的に休憩を取らせるようにして、体調の変化を見逃さないようにしましょう。

〇人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクを外すようにしましょう。

熱中症警戒アラートの有効活用

熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境になると予想される日の前日夕方又は当日早朝に環境省及び気象庁から都道府県ごとに発表されます。熱中症を予防するためには暑さを避けることが最も重要です。熱中症警戒アラートが発表されている日には、以下の行動を積極的にとりましょう。

〇熱中症を予防するためには暑さを避けることが最も重要です。暑さ指数(WBGT)を確認しましょう。

〇外出はできるだけ控え、暑さを避けましょう。

〇昼夜を問わず、エアコン等を使用して部屋の温度を調整しましょう。

〇熱中症のリスクが高い方(子ども、高齢者、障がい者等)に声かけをしましょう。

〇暑さ指数(WBGT)に応じて、屋外やエアコン等が設置されていない屋内での運動は、原則中止又は延期をしましょう。

〇こまめに水分、塩分を補給する。涼しい服装にするなど普段以上に「熱中症予防行動」を実践しましょう。

『熱中症』例年以上に警戒を!(令和4年5月から6月までの熱中症による救急搬送状況の概要)

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