二酸化炭素消火設備の誤作動により死傷者を出す事故が相次いで発生しています!
令和3年4月15日(木曜日)、東京都新宿区のマンション地下駐車場で二酸化炭素消火設備の消火剤が誤って放出されたことで、4人が死亡し、1人が重体となる事故が発生しました。
二酸化炭素消火設備による事故は、今年1月に東京都港区のビル地下駐車場において、死者2名、負傷者1名を出す事故が発生したほか、昨年12月にも愛知県名古屋市のホテル地下駐車場で死者1名、負傷者10人を出す事故が発生するなど、死傷者を出す事故が全国で相次いで発生しています。
これらの事故はいずれも火災時以外に消火剤である二酸化炭素が放出されたことが原因で発生していることから、関係者の皆様におかれましては、特に日常点検や建物の保守管理点検をされる際は、以下の項目に十分留意して作業を行ってください。
二酸化炭素消火設備の構造
建物の関係者(従業員・警備員等)のみなさまへ
- 火災の場合以外には、消火ガス放出用の手動起動装置に触れないでください。
- 誤って手動起動装置の操作扉を開け、音響警報装置が作動した場合は、扉を閉め、点検業者などに復旧しているかの確認を依頼してください。
- 消火ガスが噴出される旨の音響警報装置が作動した場合は、ただちに防護区画の外へ退避してください。
- 消火ガスが噴出される旨の音響警報装置が作動した場合に、消火ガスが噴出される防護区画内やその周辺に建物利用者がいる場合は、ただちに退避するよう促すとともに、防護区画に近寄らないよう周知してください。
- 消火ガス放出用の手動起動装置を押した場合でも、あらかじめ決められた時間内(※)であれば、手動起動装置の中にある停止スイッチを押すことで消火ガスの放出を停止できます。
※二酸化炭素ガスを放出するものの場合、最短20秒間は放出されないよう設定されています。
- ガス系消火設備に何らかの異常を確認した場合には、点検業者などに速やかに連絡してください。
建物の保守管理作業に従事する工事事業者のみなさまへ
- 駐車場、電気室、ボイラー室、通信機器室などには、ガス系消火設備が設置されている場合があります。必ず事前に建物関係者に確認して、消防用設備等の設置状況や注意事項の確認をするようにしてください。
- 設置されている消防用設備等の取扱要領、注意事項について、不明な点があれば、建物の消防用設備等の点検を行う事業者に必ず確認してください。
- 工事を行う場合は、その旨を建物関係者、利用者に必ず周知してください。
消防用設備等の点検・整備事業者のみなさまへ
- 工事を行う場合は、その旨を建物関係者、利用者に必ず周知してください。
- ガス系消火設備の機能、取扱い方法、放出時の対応要領等について、消防用設備等点検などの機会を捉えて建物関係者に周知してください。